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無題
――20XX年。エネルギー問題に端を発した三回目の大戦は世界を疲弊させ人々を混乱させた。日本もその例に漏れず、民衆は救世主と新世界の到来を願い、それに応えるように現れた日本の巨大会社『A.G.E』は新たなエネルギー技術を開発し、ここに都市開発プロジェクトの幕が開いた。
それから20年後、旧東京の東太平洋上に造られたその都市はNEOTOKYOと名付けられ、目覚ましい発展を遂げていた。
街の中央にはA.G.Eの本社ビルがそびえ立ち。その光は新時代の象徴として人々の心に焼き付いた。
NEOTOKYOには世界中から選りすぐられた人々が住み、A.G.Eの研究局長を父に持つ柏木勇二もまたそのひとりとして平穏な生活を送っていた。
崩壊は父が失踪した日に始まる。



シナリオ1悪魔召喚プログラム 悪魔を全滅せよ

 NEOTOKYOを作り上げたA.G.E社の研究局長である親父、柏木圭一が「悪魔」「召喚プログラム」という言葉を残して失踪した。俺は意を決して街の中央にある親父の職場、A.G.Eビルへ乗り込んだがやはり親父の姿はなかった。
 ある男に話しかけると、おあつらえむきに研究員だった。そこで親父のことを訊いてみると、突如その男が不自然に引きつった。
「ぐ…ご、ご…がっ」
 体が内側から食い破られていき、薄皮の切れ目から馬の頭が飛び出した。「
クックッ、貴様がこの姿での記念すべき犠牲者第一号だ!」
 男が堕天使オリアスに姿を変えると脳裏に親父の言葉が蘇った。
「親父の言ってた悪魔ってやつか…」
「やはりあの男、余計な事を喋っていたようだな」
「どういうことだ!?」
「お前に説明する必要はない。死ね!!」
 オリアスが俺に向かってこようとしたそのとき、傍らのデスクの上にあったリストモバイルが光り始めた。咄嗟に掴み上げると親父が使っていたものだと気づいた。逃げ道を探しながら、リストモバイルの画面に現れた『悪魔召喚プログラムを起動しますか?』という文句に反射的に『YES』のボタンを押した。
 一条の閃光が走ったかと思うと黄色い身体に青いたてがみを持つ獣が俺を守るように降り立ち、次の瞬間オリアスに躍り掛かった。
 悪魔召喚プログラムが起動したのだった。
 俺も拳を奮い、魔獣オルトロスともに襲い来る悪魔たちに抵抗した。オリアスの他にもネコマタ、ピクシー、コボルトに姿を変えた者があった。
 悪魔が全滅すると、リストモバイルが光りオルトロスはかき消えた。
 その後すぐ同じく悪魔召喚プログラムを受け取ったという人間から通信が入った。情報交換のために明日の夜、新ハチ公前で待ち合わせすることになり、しばらく呆然とする。
 研究員が悪魔に魂を売ったのか悪魔が研究員を装っていたのかは知らないが、もしかすると研究自体おぞましい内容で、親父が失踪した訳に深く関わっているのではないだろうか。
 とかく分からない事が多すぎる。研究室を出て、家へ向かった。

(レベル9)
やっぱBGMかっこいいよ!。もはやオリアスは定番か。リストモバイルって新しいな。なつかしのオルトロス。そしてピクシー二体も実はストックにいることにシナリオ4くらいで気づいた。
頭を引きずるって何?また誤植多いの?





シナリオ2失われた日常 幻魔プルシキを倒せ

 待ち合わせ場所に現れたのは数人の男女だった。俺が近づくと一人の女の子の方が俺の方に歩み出た。
「あんたが通信してきた…?」
「ええ、満仲渚よ。よろしく、柏木勇二君」
 名前を呼ばれぎょっとしたが、満仲渚と名乗った女の子は俺と同じ東京神代高校の三年生、つまり同級生だった。知らない子だったが、なるほど見慣れた制服を着ている。
「私A.G.Eのホストコンピュータをハッキングしていて偶然悪魔召喚プログラムを見つけたの」
 ハッキングという単語がセンセーショナルだったが、A.G.Eが悪魔召喚プログラムを持っていたということが引っかかった。昨日の研究員と名乗った男が悪魔を呼び出したのはプログラムを使用したからに違いない。
 渚と話していると同級生なこともあって幾分緊張が和らいだ。
 次に渚は皆に自己紹介を求めた。
「…宗方晴臣だ。特に話すことはない」
「おいおい。情報交換のために集まったんじゃないのか?」
 まともに口を聞いたらそれかと呆れて男に問うと、金髪の男が割って入った。
「まぁいいじゃないか。人にはそれぞれ己を縛る規律があるものさ」
「あなたは…?」
「ボクはキルフォート・エイブリーだ、よろしく。 新世界の象徴であるNEOTOKYOを見るためにドイツから来たんだ」
上手に日本語を操ってはいるが、確かにキルフォートと名乗った男は彫り深で真っ白い肌をしていた。
「召喚プログラムはどこで?」
 渚が訊くとキルフォートは注目を受けながら薄く笑った。
「夢に出てきたアドレスにアクセスしたら手に入ったんだ。きっと神の思し召しだね」
 やがてもうひとりの男がやや大きな声を出した。
「俺は白岳洋一。一応科学者の端くれだ。今日はこのプログラムを今後どう運用していくかについて話し合いたいと思っている」
 俺と渚は得体の知れないこのプログラムを運用しようと言う男の考えにそもそも疑問を持った。晴臣は怖ければ捨てろと言い捨てた。最後にキルフォートが、使用するかどうかは自分自身で判断すればいいと前置きしたあと、「ボクとしてはこのプログラムを全世界に発表したほうがいいと思ってる。新世界の秩序を乱しかねないからね」と言った。
 即座に白岳が噛みついた。「こんなにすばらしいものをみんなで共有しようってのか?馬鹿げてる!俺は反対だ!」
 全員が白岳を冷めた目で見つめた。白岳が主張する独占運用というのは、この場にいる者が共謀してこのプログラムを目的のために用いようということらしい。しかし俺と渚、言うまでもなくキルフォートも召喚プログラムの生み出すかもしれない利益に目をギラつかせる白岳には加担しかねた。この中で唯一積極的にプログラムを使いそうな晴臣さえ他人は勝手にしろと言う。傍目に見ても晴臣が求めるものと白岳が求めるものが違うのは明確だった。
「ここは民主的に多数決だね。恨みっこなしということで」
 キルフォートが流暢に告げたとき、白岳が豹変した。
「大いなる意思のもとに…貴様らに天罰を…ぐ、ご…がぁぁぁっ!!」
 ピカッと光ったかと思うと白岳の身体が小さく爆ぜた。中から這い出てきたのはやはり異形の悪魔だった。俺は昨日も同じものを見たことを思いだしていた、夢なら早く醒めてくれ。
「悪魔に体を食い破られるなんて…これも召喚プログラムの力なのか?」
「私たちもこうなる可能性があるっていうの?」
 混乱をきたす俺たちに白岳改め幻魔プルシキが「死ね愚民共!」と叫んだのに対し晴臣が「下らん選民論者が」とピシャリと言うと心の揺らぎは収まった。皆分かっていた、戦わねばならない。
 昨日今日の奇怪な事態はやはり親父がいなくなったことと関係があるのか、とふと考えついたが、渚がプルシキに向かって踏み出す音で思考は途切れた。
「彼はもう…人ではない」
「道を塞ぐものは切って捨てる」
「ボクもこんな所で死ぬわけにはいかないな」
「やるしかない…か」
 暗黙のうちに俺たちは並び立った。
 俺がオルトロスを召喚すると、渚は回復魔法を覚えた妖精エルフを、晴臣は腕力に優れた闘鬼ブッカブーを、キルフォートは自在に空を移動する霊鳥ヤタガラスをそれぞれ召喚した。皆強力な悪魔だった。無論プルシキに呼び出された雑魚は簡単に片付いた。
 俺は橋の上でプルシキと敵対した。 緑の象の姿をしたプルシキの攻撃は意外なほど弱かった。象の手を振り払いカウンターをお見舞いすると一発で沈み込んだ。昨日の戦闘経験が生きたらしい。
 俺たちは汚れを払いながらビル群の中に戻った。出会って間もないが、互いの顔を見ると安心した。
 俺は思っていたことを切り出した。
「俺はこれからこのプログラムを解析しようと思う。親父に関係があるかもしれない」
 親父は悪魔召喚プログラムを知っていた。A.G.Eは悪魔召喚プログラムを所有していた。そして親父が失踪してから悪魔が現れたのだった。
「じゃあ一週間またここで集まろう。それまでにボクも色々と調べておくよ」
キルフォートが言い、渚と晴臣が同意した。
 俺たちは種々の予感を胸に、新ハチ公前で彼らと別れた。

(レベル11)
キルフォート爆弾魔伝説開幕戦。
ぽいぽいほうりこむよ。でもエティエンヌが毒舌野郎だったからか、キルフォートはかわいげがありますね。スタッフの愛感じる。晴臣は…あれは…
白岳グラなしでかわいそうです。しかもプルシキ





シナリオ3悪夢からの始まり 敵を全滅せよ

 親父の書斎はデータで一杯だった。俺は悪魔召喚プログラムの周辺データを引き出し、読みふけった。 そして悪魔召喚プログラムが『悪魔会話』『悪魔合体』という背徳的な機能を備えていると知った。自分の召喚プログラムをいじると、確かにそのはたらきがあるようだった。しかしこの機能は親父からリストアームを受け継いだ俺にしか使えないかもしれないと思った。
 新たな機能を解放して、久しぶりにリビングに戻ると母さんの姿がなかった。外には悪魔が出現するかもしれないが、母さんは悪魔の存在など知らない。
「勇二…どこ行ってたの…?」
 焦った俺の背後から、懐かしい声がノイズを伴って聞こえた。
「母さん心配してたのよ…あなたまでいなくなったら母さんどうやって……テ、テ…ア、アアアァァァ……!」
 振り返ると、紺色の狐が尾を振り乱していた。
「母さん!しっかりしてくれ!」
「…ガ……何だ、お前。食われてえのか人間」
「母さんまでそんな…」
 飢えた赤い眼に俺が映っていた。慌てて屋外に転がり出ると牙を剥き出して追ってきて俺を引き倒した。
「う、うわあぁぁぁっ!!!!」
 俺は殆ど狂気のようになって滅茶苦茶に手足を振り回した。
 ゴツン という音を伴い手の甲に何かの手応えがあって、赤いものが混ざった大量の唾液が顔にかかった。タテモノマエは俺に覆い被さるように倒れた。
 毛を掻き分けるようにタテモノマエの下から這って出て、だらしなく投げ出された体躯を見下ろした。
「俺は…母さんを…」
 召喚プログラムを介した通信が入った。満仲渚だった。これまでのできごとを話して聞かせると、どこでも似たようなことが起こっているのね、と渚はむりやり平静を装った。
「なんで俺たちがこんな目に遭わなきゃならない!?」
 いっそ悪魔に食われて化けたのだろう人間の方が気楽なのではないかと思った。
 渚に代わって本当に冷静な男の声が答えた、『力がなかったからだ』と。
『降りかかる火の粉を払うだけの力がなかった。ただそれだけだ』
 俺は呻いた。晴臣のように割り切ることができたら打ちのめされるより先に向上心が立ったのだろう。晴臣は強いのだ。
『個人の力の有無が根本的な解決になるとは思えないけど…それでも確かに今、ボクたちには力が必要なのかもしれないね』
 ええ、と渚が吐息混じりでキルフォートに同意した。『個人の判断と力が必要だと思う』
 二人が神妙に言ったことを反芻した。俺は息子として親父の失踪の理由を知らなければならないが。そのためにはやはり力をつけるしかないのだ、痛みと共に納得した。
『この状況ではプログラムの公表などはできんな』と晴臣がまとめた。
『まずは私たち四人が強くまとまる必要があるんじゃないかしら』
 渚が提案した。悪魔召喚プログラムを持ち悪魔に対抗しうる俺たちが集まって勢力となれば、重大な事態に対応しうるだろう。晴臣がいぶかしんで信じられるのかと問うたが、渚は「私は信じたい」とだけ言った。そして晴臣も承諾した。つまり全員が手を組むことに同意したのだった。
『今の所手がかりは勇二のパパとA.G.Eが関わってるってことぐらいか』
『A.G.Eに行くぞ』
前に見えるのがそこだけならそこへ向かえばいい、と晴臣は言った。彼の言葉はいつも何らかの真理に従っていた。今は薄弱な自分もいつか背筋を伸ばせるのだろうかと思いながら、時間を申し合わせて通信を切った。
しばらく悪魔の亡骸の側で立ち尽くしていたが、未練を振り切るようにA.G.Eのビルへ向かった。

(レベル12)
キルフォートがパパって言った。
今回はタイトルからおかしいですね。しかし勇二はいつまで丸腰なんでしょうか…





シナリオ4魔王の闇 敵を全滅せよ

 合流した俺たち四人はA.G.Eビルの6階を目指した。6階にはA.G.E研究局長だった親父の研究室がある。俺が初めて悪魔に遭遇した場所だ。
 二階に足を踏み入れたときだった。
「素晴らしいね、君たちは」
 茶色いスーツの男が出会いしなに俺たちを賞賛した。
「私は岡田昭儀。A.G.Eの広報戦略局長だ」
 晴臣は早くも敵意を剥き出した。「…罠か。俺たちは導かれたんだ」
「ふっふっふ、導いたとは言っても並みの人間は突破できない程度のセキュリティは備えていたのだよ」
 岡田は俺たちを舐めるように見回した。
「私たちA.G.Eはある計画の遂行のために優秀な人材を探していてね。きみたちは有資格者だよ。プログラムを渡した甲斐があったというものだ」
「ボクたちの持っているプログラムはあなたが送りつけてきたと?」
「その通りだよ。天才の誉れ高いドイツの至宝キルフォートくん。それに類い希なるハッキング能力を持つ満仲くんに、戦国の世から続く名門武家をまとめるカリスマ宗方晴臣くん」
 三人は忌々しげに岡田を見つめた。自分たちが岡田およびA.G.Eの手中で踊らされていたことを知ったのだ。
「…お、俺は?」
「…柏木局長の息子、柏木勇二くんか。君は私たちにとってイレギュラーな存在だよ。初見でプログラムを起動し、悪魔とのコミュニケーションまで可能にするのだからね」
 岡田は嘲笑混じりに俺を見た。
「流石、このプログラムを作った人間の息子と言うべきかな?」
「親父がこれを!?」
「君の父親は優秀だった。だが多分に人間くさいところを持ち合わせてもいた。そこが使いやすい所でもあり、予想しえない要素でもあった。そして私たちの危惧の通り、彼は独自の研究結果を持って姿をくらましてしまった」
 親父の居所はA.G.Eもつかんでいない。親父は死んだ訳ではない。俺は不安を振り払って岡田を睨みつけた。
 渚が岡田に目的を問い詰めた。岡田はA.G.Eの計画に参加しろと言った。
「服従か死か。君たちに問うのはそれだけだ」
 岡田の背後から悪魔が溢れ出した。俺たちはすぐさま態勢を整えた。


 予想以上だ、と岡田は言った。
「しかし少しやりすぎた。君たちには少々教育が必要かもしれないな」
 今度は岡田が二つに割れた。
 岡田から現れた悪魔は燃え立つように赤く強大な魔王、ベリアルだった。
「この人も悪魔に乗っとられていたの!?」
「私は乗っ取られているのではない。自らその身を差し出したのだ」
 ベリアルは地獄の底から響くような声で俺たちをあざわらった。そして、
「囚われの身となって、己の浅はかな思想をくいあらためるのだな!」
 ベリアルが三又矛を掲げると目の前が真っ黒になり体が動かなくなった。俺は悲しいとか悔しいとかじゃなくただ、痛い、とだけ思った。 やがてすべてが遠ざかっていった。

(レベル14)
ベリアルさまウヒョー。キルフォートエティエンヌじゃないですか。
いやー物語が動き始めるのが早いですね






シナリオ5牢獄からの逆襲 敵を全滅せよ

 目を覚ますとまず見慣れない天井が目に入った。苔の生えたレンガだ。ベリアルの攻撃を浴びたあと牢獄に移されたのだと理解した。固い床に寝かされていたせいであちこち痛む体を起こそうとすると、キルフォートが手伝ってくれた。
 先に目覚めたキルフォートも他の二人がどうなったかはわからないらしいが、ここが旧東京つまりEXTOKYOの旧池袋にある巣鴨プリズンであり、A.G.Eの人体実験場として使われていることを教えてくれた。
「お前、なんでそんなこと知ってるんだよ?」
「看守に聞いたのさ。よほど暇だったらしくてペラペラと喋ってくれたよ。それにホラ、いいものも手に入った」
 キルフォートは金メッキが剥げ放題の鍵束を取り出し、呆れかえっている俺の目前につきつけた。
「そう、この牢獄の鍵さ。看守のポケットから拝借させてもらったよ」
「すごいな、お前…いや、俺以外のみんなは普通の人間じゃないんだったな」
 俺は自嘲気味に笑った。事実気後れしていた。岡田は俺をイレギュラーだと言い蔑んだ。それに岡田にベリアルの姿を与えたのは悪魔召喚プログラムを開発した親父だという罪悪感もあった。元凶はA.G.Eだが、原因は親父ではないか!
「キミも十分普通の域を超えてるよ。悪魔との交渉や合体ができるのは、キミだけなんだからね」
「俺に力なんて…」
「まぁいいさ。キミが力を正しいことに使う限り、ボクはキミの仲間だ」
 キルフォートの言ったことは事実だったがリストモバイルを奪われている今、俺は無力だった。キルフォートは俺の肩を叩き、それより今は脱出だ、と言った。
「そうだな、渚や宗方たちとも合流したい。早いとこ牢を抜けよう」
「気を抜かないようにね。今のボクたちには自分の体しか頼るものがないんだから」
 牢を破って悪魔が多数配置された廊下をキルフォートと並んで走った。弱いものばかりだった。俺は攻撃を担いキルフォートは回復を担ったが隙あらば攻勢に転じた。途中にあった刀は振れなかったが背負っておいた。
 間もなく奥の牢に渚と晴臣の姿を見つけた。
「勇二くん!」
「渚…それに晴臣も、無事だったんだな」
「ふん…当たり前だ」
 鍵を開け無事を確かめ合うと晴臣さえかすかにほほ笑んだ。奥の部屋でリストモバイルを取り返すと希望が湧いてきた。
「さあ、警備が薄いうちにここを出よう」
 キルフォートの合図でまた移動を始めた。
 晴臣が一度後ろを振り返った。彼の野性的直感の鋭さは知れていたので、俺も注意を払いつつ、床を踏みしめた。


(レベル15)

その時点で一番レベルの高い仲間が選ばれるのかな?
ゲームでは冒頭でキルって呼んでました。まさかのニックネームに感極まって泣きました。エティファンをどうするつもりなの?スタッフありがとうありがとうスタッフーうわーキル結婚してうわーキルとなら間違いを起こしてもいいよーーーうわあああん
バンダナはヒロインのことキミって言ってたけど勇二くんは誰彼かまわずお前呼ばわりしてドキドキします。敵はあんたですが。なぜキルの前で晴臣を宗方と呼んだのかは知りません。
締められるは始められるの間違い?






シナリオ6決別、選びし道 敵を全滅せよ

 牢獄の出口を探して長い間さ迷っていた。そして、肌がピリピリする、と言った渚に注意を向けたとき、前方に影が現れた。
「くっくっ、久方ぶりに活きのいい獲物が掛かったな」
 牛の頭をした巨大な男を筆頭に、大勢の悪魔が俺たちを囲い込んだ。先回りされていたのだ。
「きさまらの迷走もここまでだ。『あのお方』の意思にそぐわんのなら…ここで消えて失せるがいい」
「あれは…ミノタウロス。迷宮の番人というわけか」
 キルフォートの言葉を受けて戦闘態勢に入った。
 俺たちは最寄りの牢へ飛び込み、殺到する悪魔を出入り口付近で少しずつ倒していった。
 ミノタウロスの打撃は強烈で、二度喰らったら終わりだと思った。しかしミノタウロスは俺の背後の悪魔を先に電撃で狙うものだから、カウンターに気をつけさえすればよかった。 巨体が崩れ落ちれば、残りを片付けるのにそう時間は掛からなかった。
 それらを片付けてしまうと、出口はすぐだった。
「ふぅ…なんとかなったわね。でも、ここからNEOTOKYOに戻るには海を越えなきゃならないわ」
「そうだね…ただ、今のボクたちは無力だ。ボクはA.G.Eに対抗しうる後ろ盾が必要だと思う」
 キルフォートは皆に集まるよう促した。
「旧品川のあたりにメシア教の総本山がある。そこへ行ってみないか?」
「くだらん。後ろ盾に頼るなど愚の骨頂だ。俺は群れるつもりはない」
 晴臣がキルフォートを見もせずに言うと、キルフォートは肩をすくめてみせた。彼の飄々とした人格を支えるのが厚い信仰心なのだと思うと不思議だった。
「やれやれ、強情だなあ。渚、キミはどうするつもりだい?」
「私は…もう少し考える時間が欲しいわ…。今の時点では、自分がこの先どうすればいいか、判断なんてできない」
 渚は視線をさまよわせながら俺をちらと見て曖昧に笑んだ。彼女はハッカーだ。熟考を重ね迅速に行動することができるだろう。
「迷いは自分を殺す。戦場では迷った奴から死んでいく。さっさと己の道を見つけることだ」
 キルフォートに言ったときよりいくらか語気を弱めて渚に語りかけた後、晴臣は目を上げて俺を見据えた。
「柏木、お前はどうするつもりだ?行く先にあてがないというなら、俺と来い。お前なら足手まといにはならんだろうからな」
 晴臣は力を組み敷いて自らの力とすることを旨としてい、共に戦う者が奮い立つようなその言動がブレることはない。
「俺は…」
 三人が三人とも俺の答えを待っていた。自分の道がない俺は、誰かを選ばなくてはならない。


(勇二16)(キル9)
決別早いよお…。えらそうなこと言ってるけど晴臣レベル1です。
使い物になりそうなのがキルしかいない。
決定的決別ではないのかー

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